今年買ってよかったもの 2023年版

LSDj Tips: ドラム音色の音作り キック編

Twitter上で「LSDjのドラム周りの音作りのTipsが全然日本語で見当たらなくてつらい」といった趣旨の話をお聞きして、確かに自分含む2010年代の日本のプレイヤーは技術共有があまりなかったもんな…という事を感じたので、自己反省的に自分の作り方をメモしてみます。
LSDjの扱いに困っている方の参考になればと思います。
LSDjのバージョンは、執筆時点での最新Stableである9.2.Lを前提とします。Stableのダウンロードはコチラから。
前項がなんだか過去形っぽい書き方ですが、色々な音源や制作環境を併用しているだけで、自分はLSDj現役ユーザーです。2022年にそれまでのベストアルバム (完全新曲「Freefall」含む) を出したので、よかったら聴いてみてください。

 Selected LSDj Works bandcamp販売ページ

とりあえず今回はキックに絞ります。
ただ、キックが一番凝るべきと考えているポイントなのもあり、恐らく文章量は最も多いです。

 

前置き: そもそもキック音色とは?

キックと呼んでいるこのドラム音色のタイプ、バスドラムやベースドラムと呼ぶ人ももちろんいると思いますが、ここでは統一して「キック」と呼ぶ事にします。
音の役割みたいなものの詳細はここでは割愛しますが、ビートの中核を担う大事な存在で、音楽ジャンルによってはキックの音色そのものが特徴として位置づけられているケースも多々存在します(Gabber/Mainstream Hardcore等)。
とはいえキック音色とは、どのようにできているのでしょうか?

基本的なキックの構造を、自分は「アタック部の成分」「リリース部のピッチの減衰」と考えています。
つまり、この二つをLSDj上で構築する事で、キック音色を得られます (もちろん、他のシンセでも可能です - むしろ、LSDj上でこのプロセスを再現するというのが本質です)。

・アタック部の役割

「アタック部の成分」は、音色の印象を決めます。こちらは名ドラムマシンTR-808やTR-909等の主要開発者である菊本忠男さんによって(恐らく…引用元のRC-808のメイン開発者は彼とされていますし、記事の頭にCitation needed = 要出典とありますが、独白のようなものなのだと考えています)も語られています。

It is the most important percussion in all music genres. As mentioned above, there is an extremely complicated harmonic activity in the first 50 milliseconds of the attack portion.
(抄訳: 全ての音楽ジャンルにおいて最も重要なパーカッションである。前述したように、アタック部の最初の50ミリ秒に非常に複雑な倍音の動きがある。)

(Episodes of the Mid-O Series 内、Bass Drumの項より引用)

つまり、キック音色の頭には複雑な変化を生じさせることが必要になります。
一般的なシンセサイザーでキック音色を作る際には、頭に一瞬ノイズを足すといった手法が用いられることがありますが、まさに複雑な倍音変化をつけるための手法といえるでしょう。

・リリース部の役割

「リリース部のピッチの減衰」は、音色のキレ具合などを左右してきます。
こちらも同記事に言及があるので、一部を引用させていただきます。

they are high-pitched at first, then rapidly but smoothly goes down to lower frequencies, and then gradually decay into the fundamental frequency of the drums that is 60 hertz.
(抄訳: 最初は高いピッチで、その後速やかに、かつ滑らかに低い周波数へ下がっていき、そしてドラムの基本周波数である60Hzに徐々に減衰していく。)

(Episodes of the Mid-O Series 内、Bass Drumの項より引用)

最終的に落とすべきが60Hzかどうかはケースバイケースだと思いますが、高い周波数から低い周波数に下がっていく点は、キックの構造において重要な部分になります。 

・まとめ

長々書きましたが、要は、
1. 音の立ち上がり

2. ピッチの落とし方
を意識して、キック音色を作っていきます。
こういった音色の構造を理解しておくことは、後々自分で工夫をしていく時に糧になると思います。

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前置きはこのぐらいにして…。
ここからは、LSDj上でのキック音色の作り方を、実例を交えながら解説していきます。
できる限り編集するパラメータが少ない例を紹介しますので、実際にお手元で試してみてください。代わりに、オーディオデータでの例示は省きます。

GROOVEスクリーンのTICK設定は、全て初期値の06/06で作成しています。


スタイル1: パルス音源で作る

GBのパルス音源は2系統ありますが、全く同じではなく若干の機能的差異が存在します。
今回重要な情報としては、LSDjでいうPU1側でのみ、ハードウェア機能による周波数スウィープを使用できる点です。この機能を利用してピッチを減衰させる事により、比較的少ない手間でキック音色を作る事ができます。

・タイプ1: 周波数スウィープを利用したパルス音源キック

こちらが周波数スウィープを利用したキックの例です。
前述の通り、パルス音源の周波数スウィープはPU1側でのみ使用可能な機能のため、PU2側ではこのキックは利用できません。
NOTEの音程は、C6を使います。

WAVE: 12.5% → 50%
SWEEP: 7F → 63

初期値から2か所のみの変更です。大変シンプルですが、これだけでもキックらしくなります。
WAVE(パルス波形タイプ)は、一般的にキックに用いられるサイン波に近付ける目的で50%に変更しています。

SWEEPのパラメーターはどうしてこうなるのか?実は自分自身もあまり理解していなかったのですが、今回マニュアルを読み直しました。できるだけ解説しようとしてみます。
先頭の桁(=6)がTime = 変化に必要な時間です。こちらの最大値は7になります。数値が大きくなるほど、ピッチの変化は速くなります。(7が最大なのは、該当レジスタの上位1bitは使用しない数値であるから…のようです。)
その後ろの桁(=3)がpitch increase/decrease = ピッチの上昇/下降を司っているようです。こちらの最大値はFです。0~6が下降、7~Fが上昇の動作です。

この機能は前述の通りGBのハードウェア機能で、事実上プリセットされた値を呼び出す形式になっています。自分自身、実際の出音と勘で触っているので、実際にどのような値がレジスタにセットされているかは確認していません…。
GBDev Wikiにはこの機能の詳細な情報が掲載されています。興味のある方は、デバッガを使って、レジスタにどのような値がセットされているかを調べてみると面白いかもしれません。解説ページリンク

・タイプ2: TABLE機能を利用したパルス音源キック - DRUMモード版

Table機能を利用してピッチを減衰させることでもキックが作成できます。こちらはLSDjのソフトウェア機能により実現しているため、PU1だけでなくPU2での利用も可能です。
この手法は、後述の波形メモリ音源でも利用する方法になります。順を追って解説してみます。

今回は分かりやすくするために、音色のボリュームエンベロープを単純にしてしまいます。
また、PITCHモードを変更しておきます。以下の設定にしました。
NOTEの音程は、C6を使います。


ENV.: 88/--/-- → 80/--/--
WAVE: 12.5% → 50%
PITCH: FAST → DRUM
TABLE: OFF → TICK

端的に言えば、ボリュームは「鳴らしっぱなし」です。ある程度昔のLSDjでは、初期値がそもそもこんな感じでした。現行版はボリュームエンベロープが大幅に強化され、さらに最初から減衰音が鳴るようになっています。

PITCHモードはDRUMを使うとそれらしくしやすいです。理由は後述のTABLE内容の解説中に説明します。

TABLEは、TICKモードで有効にしておきます。TABLEにカーソルを合わせて「A」+「右」キーを押すと変更できます。初期値では、自動的にINST番号と同じTABLE番号を割り当ててくれるはずです。もし都合の悪いTABLE番号だった場合は、数字の側にカーソルを合わせて「A」+「右/左」で、都合のよい番号を設定してください。

TABLE上でピッチを可変させるには、Pコマンドを利用します。PはPitch Bend(ピッチベンド)のPです。文字通りですね。
Pコマンドは01-7Fまでがピッチ上昇、FF-80までがピッチ下降です。キックはピッチを加工させて作る音色なので、FF-80の範囲で値を設定します。
今回はTABLEをこのように設定してみました。


キックに重要なのは、「アタック部の成分」と「リリース部のピッチの減衰」とは先に書きました。
PITCHモードをDRUMモードに設定すると、ピッチの変化が対数曲線的に変化するようになります。一方、FASTモードは比例曲線的な変化をします。
DRUMモードとFASTモード、それぞれのピッチの変化には、このような差があります。


(上: DRUMモード、下: FASTモード、共に50%矩形波・Pコマンド=F0時のスペクトログラム)

このDRUMモードのピッチの変化は、最初は急激に変化し、その後緩やかになる、といった動きをしているのがお分かりいただけるかと思います。
つまるところ、「最初は高いピッチで、その後速やかに、かつ滑らかに低い周波数へ下がって」変化するといえるのではないでしょうか。
また、急激なピッチの変化は、それだけで倍音に大きな変化をもたらします。まさにキックに適した挙動です。

(今回のDRUMモード音色例のスペクトログラム。最初は急激に、後は緩やかに…)

Pコマンドは音源の発音下限ピッチに達した後、上限ピッチに戻る挙動があります。上限ピッチに戻ってしまう直前を見計らってKコマンド(ノート停止)を入れておくと、鳴らしっぱなしにならず、キレのあるキックが得られます。

また、リリースを長くしたいがテーブルの頭に戻ってしまい、もう一度Pコマンドがかかってしまうという場合には、TABLE末尾でAコマンド(別のTABLEに移動)を利用して別のTABLEに飛ばして処理を続行する方法や、音をTABLE上では止められなくなりますが、Hコマンド(指定列に飛ぶ)で、そのHコマンドの直前の列番号を指定することで、TABLE頭に戻らないようにする、などの方法が考えられます。

過去の話になりますが、古いLSDjは、ピッチ変化のタイプは対数曲線タイプ(≒DRUMモード)のみでした。一時期のバージョンでは現在のFASTモード相当のみに変更されてしまったりなど、破壊的な変化が起こった時期もありました(その頃の記事は無くなったりしていますが、一つをWebArchiveで見つけてきたので空気感が知りたい方はぜひ)。現在はモード切替で変更可能な形に落ち着きました。

・タイプ3: TABLEを利用したパルス音源キック - FASTモード版

FASTモードでキックは作れないかというと、そうではありません。一例を示しておきます。
あくまでPITCHモードを変えるだけですので、こちらもPU1、PU2双方で利用可能です。
NOTEの音程は、C6を使います。

ENV.: 88/--/-- → 80/--/--
WAVE: 12.5% → 50%
TABLE: OFF → TICK

ここまでは前述のパルス音源キック タイプ2とほぼ同じです。
PITCHモードだけは、デフォルトのFASTのままにしておきます。

TABLEはこのように設定しました。


Pコマンドが2段になっているのがお分かりいただけると思います。

ここでもう一度、先ほど示したDRUMモードとFASTモードの差を見てみましょう。

(上: DRUMモード、下: FASTモード、共に50%矩形波・Pコマンド=F0時のスペクトログラム)

FASTモード時の変化は、滑らかなピッチベンドを行いたい場合には向いているのですが、キックのようなアタックの急激なピッチ変化と、リリースでの緩やかなピッチ変化をつけるには、そのままでは不向きです。
これでキックを作るには?…そう、急激な部分と、緩やかな部分とで、ピッチ変化を2段階に分割すれば可能です。


(今回のFASTモード音色例のスペクトログラム。こちらも最初は急激に、後は緩やかに…)

1段目のPコマンドは、2段目に比べてピッチが下がるスピードが速いです。これは「アタック部の成分」の解説段の引用中にもあった、短い時間に複雑な変化を起こす部分になります。
2段目のPコマンドでは、1段目よりもピッチが下がるスピードを抑えています。こちらは「リリース部のピッチの減衰」で引用した内容にあたる、徐々に減衰する部分を担当しています。

要するに、
・1段目のPコマンド = アタック部のピッチ変化部分=急激な変化
・2段目のPコマンド = リリース部のピッチ変化部分=緩やかな変化
という構造です。
1段目と2段目の間隔を調整したり、それぞれのPコマンドのスピードを変える事で、キレ具合を調整していけます。

パルス音源の場合は、波形メモリ音源よりも音量の変化を滑らかに付けることが可能なので、そちらと組み合わせる事でより凝った音作りも可能になります。
今回の作例では音量変化を起こさずに、ピッチが下がりきった辺りを見計らって、Kコマンドでいきなり音を止めています。これをボリュームエンベロープで止めるようにすると、より滑らかなキック音色を実現できます。

 

スタイル2: 波形メモリ音源で作る

波形メモリ音源によるキックは、LSDjのパワーユーザーが好んで使用する方法です。4bitながら波形を変更できる点と、パルス音源に比べて低い音域で音を鳴らす事ができる点が特徴です。
波形メモリ音源では周波数スウィープを使用することはできないため、ピッチの減衰はTABLEで作ります。
また、音量が4段階(無音含む)しか設定できない点も弱点です。そのため音量を滑らかに減衰させることは難しい…という訳でもなく、LSDjの機能による補助を駆使すれば、不可能ではありません(波形メモリ音源 タイプ2を参照)。

・タイプ1: 音量変化を行わない波形メモリ音源キック

まずは簡単に、パルス波とTABLEの組み合わせ時のような「鳴らしっぱなし」の音色で作ってみます。
NOTEの音程は、C6を使います。

PITCH: FAST → DRUM
TABLE: OFF → TICK

パルス波でTABLEを使う時と似ていますね。初期値であるPLAYモードがMANUALの時は、WAVEの値で指定されている波形を再生します。
もし既に他の波形メモリ音色を使用している場合、この次の工程で波形メモリを編集しますので、WAVEの値を適当な未使用の値に変更してください。
この時、詳しくは後述しますが、LSDjは*0-*Fの範囲の波形を一つの固まりとして利用するため、もし00 (or SYNTH 0)を使用している場合は10 (= SYNTH 1の先頭波形)に、といった形で、未使用の固まりの先頭を指定するようにしてください。

次に、SYNTHスクリーンで波形メモリを編集していきます。今回はSYNTH 0で作業していますが、前の工程でWAVEの値を変更した場合は、その値のSYNTH番号に変更してください。
(SYNTH番号変更は「B」+「左/右」です)

SIGNAL: SAW → SINE
WAVE: 先頭側 VOLUME 10 → 38

サイン波(といっても粗いものですが)をベースにしつつ、音量を上げてクリップさせ、若干歪ませた波形にしています。こうすることで、アタックにパンチが出ます。

TABLEはこのように設定しました。

お気づきの方もいるかと思いますが、パルス音源キック タイプ2のTABLE例と全く同じ内容です。今回も鳴らしっぱなしの音色のため、Kコマンドで音を止めてしまいます。
右側に表示されている波形メモリの状態を見ていると、Kコマンド直前まで何も変化しませんが、Kコマンドでいきなり波形が線になってしまうのが観察できると思います。

TABLEでのPコマンド調整のノウハウは、たいていの場合、パルス波・波形メモリ間で共有が効きますので、気に入ったパラメーターを見つけてみてください。
説明は省いてしまいますが、FASTモード時のノウハウも共有が効きます。波形メモリ音源のPITCHモードをFASTにし、パルス音源キック タイプ3のTABLE例を持ってきても、ちゃんとキックになります。

・タイプ2: 音量変化を行う波形メモリ音源キック

波形メモリではもう一つ、音量も減衰していくキックの作り方も紹介します。
まずはこんな値に設定してみます。NOTEの音程は、C6を使います。


PITCH: FAST → DRUM
PLAY: MANUAL → ONCE
SPEED: 04 → 01
TABLE: OFF → TICK

PLAYモードをONCEに設定しました。MANUALの際にはWAVEと表示されていた部分が、SYNTHに切り替わったのが確認できると思います。
LSDjは*0-*Fまでの16個の波形を一つの固まり(=SYNTH *)として扱い、その固まりをどのように連続再生させるかを変更することができます。
もし既に他の波形メモリ音色を使用している場合、この次の工程で波形メモリを編集しますので、SYNTHの値を適当な未使用の値に変更してください。
特に、既に他のINST上でMANUALで波形を使っている場合は、SYNTHの値にはMANUAL音色側で使用しているWAVE番号、*0-*Fの「*」の位置にある数値を避けて設定してください。

デフォルトのMANUALは、Fコマンドで変更しない限りはINST上で設定したWAVE番号の波形を再生し続けますが、それ以外のONCE, LOOP, PNIGPONG, RESYNCでは、INSTで設定したSYNTH番号に紐づいている*0-*Fまでの波形群を、それぞれのモードに応じて連続再生します。

今回使用するONCEは、*0-*Fまでを連続再生し、*Fの波形を再生したら終了、というモードです。SPEED値は、波形を切り替えるまでの時間(恐らくTICK値)を設定します。01が最速です。

次にSYNTHの値です。

SIGNAL: SAW → SINE
WAVE: *0側 VOLUME 10 → 38
WAVE: *F側 VOLUME 10 → 00

最後の波形が無音になるよう、*F側の音量を00に設定しました。このSYNTHスクリーンでの編集は、前述した*0-*Fの波形群の先頭側(*0)と終端側(*F)の値を設定することで、その間の*1-*Eまでの波形を自動的に設定し、滑らかに変化させます。ここではつまり、滑らかに無音になる波形群を生成してもらっています。

波形メモリ音源自体は0-3までの4段階しか音量を設定できませんが、このように波形そのものの音量を変化させれば、滑らかな音量変化が可能です。LSDjが強力といえるポイントの一つは、間違いなくこのSYNTH関連の機能です。(もう一つ挙げるとすれば、TABLE機能です。)

TABLEは、次のように設定しました。

右側に表示されている波形メモリの状態を見ていると、発音直後から連続して波形が変化し、最後に線になるまで滑らかに変化しているのが確認できると思います。このように、波形側の音量の変化で音を止めるので、Kコマンドは使いません。

代わりにHコマンドを末尾に入れています。これは、TABLEの先頭に戻ってPコマンドが再度かかってしまうのを、防止するためのものです。
上のほうで軽く述べましたが、Hコマンドに自身の一つ前の列番号を設定すると、その列番号に戻り、次にHコマンドに当たるのでまた戻り…と、無限に直前の列番号に戻り続け、あたかもTABLEが停止したかのような状況を作り出せます。

今回のPコマンドの値は、音量が下がりきるまでにPコマンドの変化が頭に戻らない程度の値を設定しています。
しかし、音量が下がっている状態でPコマンドの変化が頭に戻ると、もう一度キックを発音するものの音量は下がっているため、結果としてディレイのような効果を得られます。積極的に利用してみるのも面白いと思います。


スタイル3: ノイズ音源で作る

自分自身あまりこの手法で作ったキックを実践投入した事はありませんが、工夫次第でノイズ音源でもキックらしく聴かせることは可能です。
ただし、前述のパルス音源や波形メモリ音源のような、芯の強いキックを作る事は難しいと思います。

INSTの設定はこのようにしました。
NOTEの音程は、2Fを使います。

TABLE: OFF → TICK

ここではTABLEを有効にするのみで、あとはTABLE上で音色を作りこみます。

TABLEの設定はこのようにしました。

パルス音源キックのタイプ2と似ていますね。実際、理屈は全く同じです。
ノイズのPコマンドは比例曲線タイプで固定ですので、同タイプのキックでのノウハウがある程度役立ちます。あくまである程度で、値をそのまま持ってきてもあまりうまく使えないとは思いますが…考え方は同じです。

ここは多少詳しい方向けの文章かもしれませんが、このキックは長周期ノイズで作っています。短周期ノイズ(LSDjの場合、数値でなく音名が表示されるエリア)の方が音程感があるので作りやすいのでは?と思われるかもしれませんが、ノイズ周波数がある程度比例曲線的に変化していく長周期ノイズの方が、自分は作りやすいかなと思っています。短周期ノイズはLSDj上で順に見ていくとわかるかと思いますが、音程の繋がりは滑らかでない部分があります。

長周期ノイズの最低値は00です。Pコマンドの終端が00を超えると、短周期ノイズの先頭(C8と表示される所)を発音します。他の音源の、Pコマンドがピッチ下限から上限に戻る挙動と同じです。
現在発音されているノイズの値は、右側のNと書かれている部分の横に表示されています。Kコマンドで停止する位置を決めておきつつ、右側の表示を参考にPコマンドの速度を調整して、いい塩梅を見つけていきましょう。

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読んでいただきありがとうございます。キック編は以上です。
鳴らすNOTEを変えたり、他のコマンドを併用したり、色々試してみると楽しいと思います。

2023/01/25 初版公開

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