LOG Audio LD2000というパワーディストリビューター (要するに機能付き電源タップ)があります。設備音響向けらしいのですが、ヤフオク等で中古品 (恐らく設備入れ替え等によるもの)が比較的安価に手に入る上、2Pプラグではありますが接続可能数も多く、2段階リレー動作があるなど、機能性は良好です。
以前から1台利用しているのですが、今回2台目を導入しました。
今回の個体は、電源に繋ぐと「ブーン…」と大きめの唸り音がします。以前から所有している個体を確認してみると、確かに少し唸りがありますが…相当耳を近づけないと聴こえない程度です。今回のは目立ちます。
この音の原因は、電源部のトランスから漏れた磁束が筐体の天板を振動させているという事象です。そのため、蓋を開けると音はしなくなります。測定はしませんでしたが、ここは東日本なので50Hzの音でしょうか…。
自分は同一原因の事象を過去にYAMAHA TX81Zで経験しています。TX81Zは後期型であれば電源トランスに鋼板が貼られて対策されているのですが、自分が入手した個体は前期型で、そういった対策がなされていませんでした。
原因が同一という事は、対策も同一で済む可能性が高いということだと考えられますね。
対策の内容としては、TX81Zの後期型で行われていた事を踏襲して、電源トランスに強磁性体の鋼板を追加することです。磁気の遮蔽は難しいそうなのですが、強磁性体の鋼板を追加すると磁束を吸収し、天板に伝わる磁力を減衰できる…という仕組みのようです。(理屈の説明には、TDKが公開しているこちらの記事を参考にしています)
TX81Zへの対策時は、こちらの記事と知人のアドバイスを参考にしていました。今回もそれに倣います。
※以下の手順を試した事で、何らかの損害や不都合が生じたとしても、当方は一切責任を負いません 。
強磁性体の鋼板として、100円ショップで手に入る、タイル等に磁石をつけるために使われる小型のパネルを用意しました。
バリ取りもされており、そこまで厚みもないため加工もしやすく、かつ大きさがちょうどよくて入手しやすいのが良いポイントです。ステンレス製のため、条件も満たします。
こちらの製品は裏面に壁に貼り付けるための両面テープがついているため、まずはこの両面テープを全て剥がします。比較的剥がしづらいものが付いているため、ある程度表面を剥がした後にはシール剥がし剤等で綺麗にしていきます。
LD2000の蓋を開け、電源トランスにあてがっておおよその曲げ位置のアタリを書いておきます。
電源トランスは熱を発するため、耐熱両面テープを用意します。自分は3M KHR-19Rを近所で入手して使っています。
トランスの固定といえばポッティング (蝋)などもありますが、後付け磁気シールドであればこの方法が簡単で、恐らく不都合もないと考えています。
トランスの上部にはラベルがついていたため、一応側面2か所に両面テープをつけておき、現物合わせでトランスの形に合わせて曲げて合わせていきます。
できるだけ上部が接するように固定し、蓋を閉めて動作確認です。
かなり緩和されると思います。全体を覆えば無音にすらできるかもしれませんが、今回の個体はこれだけで1台目レベルの状態になりました。快適に利用できそうです。
今回入手したLD2000は、よく見られる個体 (当記事1枚目の写真のタイプ)とロゴが違い、どうも販売名称も違うもののようです。
左側のLOG Audioのロゴがあるはずの場所には、Densysという別の名前が。
そして品番がある左下にはDSPD-1000Eというまた違う名前。
右側面にはDSPD-1000Eの製品ラベルがあります。
かと思いきや、左側面にはLD2000の製品ラベルも。
これは何なのかについて、まとめている場所も見当たらなかったため、少し掘り下げておこうと思います。
LOG Audio LD2000はもちろんLOG Audioの製品なのですが、公式サイトの表記からも読み取れるように、SONY SRP-D2000の事実上の後継、実際にはほぼ上位互換です。
ほぼ、としているのは、SRP-D2000のみノイズフィルターと思われるトロイダルコアが搭載されています。LD2000では搭載されていません。ただ、LD2000は正面のコンセントが2つに増えています。
SRP-D2000は設備音響向けに販売されていた製品のようで、協調制御や非常放送関係の機能を持っており、LD2000にも同等の機能がついています。(競合製品としてはRAMSAやTOAが製品を出しています)
LD2000の右下の表記を見るに、McAudi MD2000という製品のOEM製品のようで、LD2000はSRP-D2000の後継機のOEMという関係にあたるようです。本体上の表記もですが、McAudiはMD2300という名前の新機種をリリースしているようなので、こちらが上流と判断しています。
Densys DSPD-1000Eは、LD2000のラベルも並行して貼られている事や、蓋を開けた時の内部構造が所有しているLD2000と一切違いが無かった点から、LD2000のOEM製品という関係にあたると考えられます。Densys (電子システム)も設備音響向けのビジネスを行っている会社のようなので、特に違和感はなさそうです。自社ブランド設備として、ロゴ替えで生産してもらっているのでしょうね。
つまり、このDSPD-1000EはOEM (LD2000)のOEM (MD2000)で、さらに大元 (SRP-D2000)がいるという、だいぶ奇妙な関係にあるといえそうです。孫…いやひ孫…?子の兄弟姉妹の方が正しい…?ともかく、そういう事もあったりするんですね。
当記事は2024年の末ごろに実作業を行い、文も直後に書いていたものの写真を取り出すのを面倒がって放置していたという記事でもあります。最終的に公開したのは2026年の初頭頃となりましたが、この改造を行った個体は、現在も安定して稼働しています。
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