- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
(この記事では基板を自分で発注したり、部品を個別に集めたりして作っていますが、通常の場合は家電のケンちゃんで販売されている(執筆時点: 2021/01/06)キット等を購入した方がスムーズです。家電のケンちゃんでのkazzoの検索結果ページはこちらから)
実はあまり良いファミコン/NESのダンプ環境(これは書き込みもできますが)を持っていなかったので、前々から手に入れたいとは思っていたんですが、ようやく、といった感じです。
この手の機器には古参だとこーどねーむ「ホンコン」やパソファミなどがありますが、kazzoは設計がだいぶ新しいこともあり、部品点数も非常に少なく、かつ安価な上にでUSB接続で利用できるのが一つの特徴です。
今回制作したのは、大元のkazzoではなく、改良が加わったkazzo-BKの、SXのほうです。
2019年頃に登場したこちらは機能的にはオリジナルと同一であるものの、回路の見直しやDIP部品のみでの構成、また回路図だけでなくガーバーデータ(基板製造用のデータ)も配布されており、今は基板の発注も個人でも簡単に行えることもあり、DIYでも比較的製作しやすいです。
ただし、部品類の入手が少し厄介で、意外と日本国内での入手性が悪いものが含まれています。いくつかピックアップすると…
- C1 電解コンデンサ 68μF
こちらは千石電商の秋葉原店店頭に対応品があります(ニチコン製)が、通販で探しても出てきません。代わりにタンタルコンデンサであれば出てくるので、ひとまずそれを載せています。
せんごくネット通販では掲載されていない商品も問い合わせれば入手できる場合があるとの事ですので、こちらを参考に問い合わせれば電解コンデンサを入手できるかもしれません。 - U2,U3 8-bit D-FF 74HC574
ロジックICの最大手はTIですが、TIの代理店周りのポリシー改定の影響で(この辺りを参照)、あまり入手性がよくありません。ですがこの品番に関しては東芝製のTC74HC574APがせんごくネット通販から入手できるので、比較的何とかなる部類です。また、共立エレショップにはまだTI製の74HC574の在庫があるようです。(21/01/06時点) - U4 リセットIC 3.15V MCP100-315DI
これが一番問題なのですが…日本の商社だとモノタロウしか扱っていない様子です。自分が基板の注文掛けた段階 - 2020年の3月とかでは、モノタロウも引っかからなかったような記憶があります。これといった代用品も今の所見つけられてはいません。
今回自分は別の注文のついでにMouserで注文しましたが、他にはDigi-Keyや、Digi-Key在庫をマルツオンラインから買えるサービスを使っても購入できるようです。 - X1 カートエッジコネクタ 2列60POS
挙げた中では比較的楽な方ですが、選定に迷う方もいそうなのでメモ的に。
要はファミコンのカートエッジコネクタです。贅沢な感じもしますが、最悪ジャンクな実機から取り外せばどうにかなります。が、外すのも60ピンのはんだを吸い取ったり、そもそもネジ穴(いわゆる「耳」付き)なのではみ出たりなどもあるので、使用可能な新品を入手するのがお勧めです。
スペックは2.54mmピッチの60P品、カートリッジの基板厚は1.2mmです。具体的な品番としては、kazzo-BKの部品表にあるTE Connectivity 5530843-7(MouserやDigik-Keyで購入可能)や、せんごくネット通販でも取り扱いのあるヒロセ CR22A-60D-2.54DS(70)などがあります。
といった辺りの入手に少々手間取る可能性もありますが、自作ダンパーとしてはかなり作りやすい部類である事は間違いないと思います。
部品は全てDIP品やスルーホール品であるので、ある程度のはんだ付け経験があれば難しい事はさほどありませんが、作ってみていくつか注意ポイントがあったので、その点について書き残しておきます。
- S1のトグルスイッチの選定
幅がちょっと広めのトグルスイッチだと、集合抵抗に干渉してしまい、綺麗に取り付けられませんでした。大人しく部品表にある2MS1-T1-B4-M2-Q-Eを使用するのが良いと思います。(この部品は秋月電子通商で手に入ります) - ATmega328Pへの書き込み時の注意
基本的には配布されているバイナリ(kazzo_mega168.hex)を書き込むだけですが、Fuseビットの設定も書き込む必要があります。
今回はTL866II Plus(※リンクはメーカー直販ページを貼りましたが、Amazon.co.jp辺りでも出品があります)を使ってプログラム書き込みを行ったのですが、最初ここを見落としていて、何回やり直しても異常なUSBデバイスとして認識され続けました…。適切なFuseビットを設定した後は正常に動作しました。
設定するべき値は、FWのアーカイブに同梱されているmcu88.txtの冒頭に記載されています。
TL866II Plusの場合は、XgproでFWファイルを読み込んだ後、Configタブでこのように設定してから書き込みます。
余談ですが、ファイル名やmcu88.txt内の表記から「これってATmega168(P)用なんじゃ?」と感じるかもしれませんが、部品表で指定されているATmega328Pは同168比でメモリ類の容量が倍増したり、動作電圧や周波数の範囲が下限方向で拡張された上位互換です。詳細はこちらのサイトが詳しいです。私も最初、この違いが原因なのでは?とか思ったのですが、実際にはFuseの値がおかしかったのが原因でした。
AVRマイコンへの書き込み方法は他にも色々ありますが、自分は試していないので、ここでの解説は省略します。 - LEDについて
LEDの取り付けポイントは、LED1とLED3があります(公式サイトによると、LED2は通常実装しないとの事です)が、最低限LED3が付いていれば実用上大丈夫そうです。というのも、LED3はアクセスランプですが、電源が入っている間は点灯、カートリッジへのアクセス中は点滅、といった動作をするので、一応事足ります。とはいえ2つぐらいLEDを買っても値段は大したことにならないと思うので、どうしても1個しかないといった状況でも大丈夫ですよ、という程度のお話ですが…。
こんな感じでいくらか苦労(?)はありましたが、無事に動作する本体が完成。クライアントソフトのanago_wx.exe(unagi_client_windows_062.zipに入ってます)を使い、手持ちの適当なカートリッジでテストして、正常なダンプが得られました。 今後はより楽に活用していけそうです。
コメント
コメントを投稿