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【まえがき】
自分は長年(12年ほど)初代microKEY (まだ37鍵盤しか無かった頃のもの)を愛用してきていて、最近メインキーボードはαJUNO-2に譲る形になったのですが、弾き心地は気に入っておりサブマシンで気楽に使いたいと考え、microKEY Air-25を入手しました。
FWが最新かどうかを確認するためにKORG USB-MIDI Driver(以下、KORG製ドライバ)を導入し、有線接続してアップデーターを立ち上げ、最新である事は確認できたのですが、何だかどうも、今までとmicroKEY (37, Air共)の挙動が変わってしまったようです。
以前と表示名まで変わっています(後で分かりましたが、これはKORG製ドライバを導入した時の表示名のようです)。
通常、microKEYはWindowsの標準MIDIドライバ(以下、Win標準ドライバ)で動作し、別途ドライバを導入する必要は薄いのですが、前述のようなFW更新作業などの際には、KORGが配布しているUSB-MIDIドライバが必要になります。
ただ、このドライバの挙動はWin標準ドライバドライバに比べて、
・ケーブルを抜き挿ししても、FL StudioのMIDIデバイス一覧に出たままになる (Win標準ドライバの場合は、抜いたら消え、挿せば出る)
という点で不便で、これは特別な理由が無ければWin標準ドライバを使うべきだと思いました。
ただ、KORG製ドライバをアンインストールしても、再接続してもWin標準ドライバではなく、何故かKORG製ドライバを読みこんでしまう状態のまま。考えるに、アンインストーラーがドライバファイルを完全には削除してくれていないようです…。
試行錯誤し、完全に削除する方法が分かったものの、手順が複雑な為、情報共有とメモを兼ねて書き記しておきます。
【KORG USB-MIDI Driverを完全に削除する】
免責: 以下の手順はあくまで筆者が実行し、解決した方法を記したものです。以下の手順を実行した際に発生した損害等につきましては、一切保証いたしません。(若干込み入った手順のため、一応記述)
注記: 以下の画像は私の環境の都合上、英語版(US)のWindows11です。ただし、メニューやボタン名は、日本語版の表記で記述します。
1. デバイスに紐づけられたドライバ情報を削除する
・デバイスマネージャーを開き、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」から、KORG製ドライバを使っている機器のプロパティを開きます。
・「ドライバー」タブを開き、プロバイダーがKORG Inc.である事を確認します。(ここがMicrosoftの場合、KORG製ドライバは削除されているか、もしくは適用されていません)
・「デバイスのアンインストール」をクリックし、ダイアログに従ってデバイスをアンインストールします。
・上の手順を、これまで接続してKORG製ドライバで動作させたことがある可能性のある機器全てに対して行います。表示メニュー→「非表示のデバイスの表示」を有効にする事で、現在接続されていないデバイスもアンインストールすることができます。
2. ドライバツールのアンインストール
・Windowsの「設定」ツールを開き、アプリ→「アプリと機能」を開き、その中から「KORG USB-MIDI Driver Tools for Windows」を選択し、アンインストールします。
3. pnputilを使用して、該当するドライバパッケージを確認する
・スタートボタンの上で右クリックし、「Windows ターミナル (管理者)」(もしくは「コマンドプロンプト (管理者)」や「Windows Powershell (管理者)」)をクリックし、プロンプト画面を開きます。
・プロンプト画面上で、 pnputil -e と入力し、実行します。インストールされているドライバパッケージの一覧が表示されます。
・表示された中から、ドライバー パッケージ プロバイダーがKORGのドライバを探します。私の今回の環境ではBLE-MIDIドライバも導入されているので、2つ見つかりました。
・表示された内容から、「公開名」に書かれている.infファイルの名前を控えておきます。プロンプト画面は次の工程でも使うので、そのまま開いておくとよいです。
・ファイル名を指定して実行 (Win+R)を開き、 %Systemroot%\INF\ を実行すると、該当ディレクトリがエクスプローラーで開かれます。(もしくは、エクスプローラーのアドレスバーに同じ文字列を打ち込んで開きます。)
・先ほど控えた.infファイル名の該当ファイルを探し、メモ帳等で開き、先頭部分を確認します。
・今回の目的である「KORG USB-MIDI Driver」の場合は、「KORGUM64.INF」で、その下にもUSB-MIDIである旨が書かれています。最終的に、この公開名.inf(画像の場合はoem120.inf)の名前を使います。
・若干余談ですが、「KORG BLE-MIDI Driver」の場合は、「KORGBM64.INF」でした。BLE-MIDIドライバは、試した範囲ではUSB-MIDIドライバに依存していない様子です。Bluetooth接続をする場合はBLE-MIDIドライバは必須ですが、USB-MIDIドライバは必須ではない、という認識です。
4. pnputilを使用して、該当するドライバパッケージを削除する
・プロンプト画面上で、 pnputil -d [KORGUM64.INFに割り当てられた公開名] と入力し、実行します。
・「ドライバー パッケージが正常に削除されました」と表示されれば成功です。
・「ドライバー パッケージを削除できませんでした : ひとつ以上のデバイスが現在、指定された INF を使用してインストールされています。」と表示された場合は、行程1で削除漏れがあります。再度一覧をよく確認して、デバイスのアンインストールを行ってください。
・「ドライバーパッケージを削除できませんでした : 指定されたファイルが見つかりません。」と表示される場合は、既に削除済みです。
5. デバイスの再接続
・Win標準ドライバに戻したかった機器を接続します。
・デバイスマネージャーを開き、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」から、接続した機器のプロパティを表示します。
・「ドライバー」タブを開き、プロバイダーがMicrosoftである事を確認します。
・各種DAW等、MIDIポートを扱えるソフトを開き、KORG製ドライバの表示名から、Win標準ドライバの表示名や挙動に戻っている事を確認します。
以上を行い、KORG製ドライバを削除する事ができました。長かった…
この手順を見つけるまでの間についでに知った事を纏める事を兼ねて、具体的に何をしているかもメモしておきます。
行程1, 2は一般的な程度のアンインストール作業で、ここを行ってもKORG製ドライバが残ってしまうのが今回の発端でした。
行程3, 4で、Vista以降のWindowsに搭載されている、DriverStoreという仕組みの部分を触っています。
DriverStoreは、端的に言えば削除したドライバを再利用する時のために持っているキャッシュのようなものらしく、一度デバイスマネージャーからアンインストールしたはずのデバイスを接続し直すと、すぐに認識する部分の一端を担っている(と思う)機能です。
自分の環境を見た限りでは、チップセットやオーディオインターフェースのドライバ等、サードパーティー製ドライバが保管されているようでした。
デバイスドライバのアンインストーラーがここも削除してくれればいいのですが、現時点で試した範囲ではKORG製ドライバは上手くやってくれない様子で(デバイスマネージャー上で該当デバイスを全て削除した上で「KORG USB-MIDI Driver Tools for Windows」をアンインストールしたらその時点で消えているかもしれませんが、そこまでは未確認)、最初はこのドライバ周りの仕組みを知らなかったため、かなり苦戦しました(OS再インストールも考えた)。
とはいえ、このKORG製ドライバがWin標準ドライバと同じような挙動をしてくれていれば、特に気にせずにそのまま使っていたとは思うのですが…Win標準ドライバではFW更新ができないため、何か必要な更新が来た場合はもう一度インストールの予感ですね…面倒…。
参考にしたサイト:
デバイスドライバーを完全に削除する - デバイスドライバのドライバストアからの削除 : Windows Tips | iPentec
https://www.ipentec.com/document/windows-delete-device-driver-in-driver-store
23/06/29 初版
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