技術ベース創作のパーティイベント、SESSIONS 2025に、Music部門に拙作Bumpy Trainを投稿し、結果として部門1位と、特別賞を頂きました。
こういった所謂Demoscene的なイベントに投稿するのは初めてでしたが、得た結果に自分自身大変驚いています。
投稿したBumpy Trainの映像はこちら
データはscene.orgにアーカイブされています (音源単体のデータもあり)
https://files.scene.org/view/parties/2025/sessions25/music/sessions2025_music_sdhizumi_bumpy-train_audio_video.zip
残念ながら現地参加は叶いませんでしたが、最大の栄誉と、記念品として盾、副賞として様々なものを頂きました。どうもありがとうございます。
本当に様々。運営チーム様 (RD-6 & ステッカー)、 チームラボ様 (グッズなど色々)、ポリフォニー・デジタル様 (グッズ & Gran Turismo Magazine 2017 APEX)、G-GEAR様 (ステッカー)、ありがとうございます。届いた箱が大きく重くで驚いた…。
同イベントの投稿者の方々が振り返りや解説などを書き綴る姿を見かけたため、自分も制作背景などについて少し書き残しておこうと思います。
・投稿するに至ったそもそものきっかけ
私を以前から知ってくださっている方は、こういった分野に対して「sdhizumiはできるを通り越して得意といえるのでは?」と思うかもしれません。
今回の作品に使用しているLSDj (GameBoy用の非公式作曲ソフトウェア)との付き合いは10年を越し、LSDjのみで制作した作品集は10作+ベスト盤、それ以外にもMMLも使ってFM音源を操ったり…と、TidalCyclesといったライブコーディング環境は未経験なものの、いわゆるチップチューンの分野にどっぷり浸かってきました。
なのでその認識は間違っていないと思いますが…今まで、そこに踏み出そうと思える強いきっかけがありませんでした。誰しも経験があると思いますが、新しい分野・コミュニティといったものにその身一つで飛び込んでいくというのは、なかなか簡単ではないものです。
ではなぜ今回その一歩を踏み出せたかといえば、それはdraw();というイベントに他なりません。draw();は、SESSIONSのライブパフォーマンス部分のキュレーションも行っているなどで関係の深い、ジェネラティブ (リアルタイム生成型)VJにフォーカスした音楽イベントです。
今年の10/12に、draw(tokyo); #3というイベントが開催されました。そこに自分は…怪我をしてしまった友人から紹介され、ピンチヒッターとしてLSDjとM8を持ってブースに立ちました。
このイベントで様々な表現を見たことで、自分自身の中にあるテクノロジーへの興味を直接に刺激され、また打ちのめされ、最終的にこの熱量に貢献したい、この刺激から得たものをお返ししたいと、とても強く感じるものとなりました。
この出演はかなりの偶然が生んだものですが、これがなければ少なくとも今年こうやって楽曲を投稿する世界は無かったと思います。
(イベント自体の存在は認識していたものの、余裕が少ない状況だったため、単に遊びに足を運ぶのは難しい状況でした。実際、SESSIONS 2025の会場には足を運べませんでしたからね…)
・楽曲の制作について
Bumpy Trainは、前述のdraw(tokyo); #3の出演の帰り、その日のライブセットに感じた反省や、他の出演者から得た刺激を反芻しているうちに産まれたアイデアが大元になっています。
このアイデアは絶対に逃してはならないと強く感じたため、最寄り駅の列車を降りてすぐ、その日使ったGameBoyを取り出して電源を入れ、すぐにフレーズを打ち込む…といった鮮度で作業を始めています。(混んでいなければ列車内で打ち込んだと思う)
この時打ち込んだアイデアは、Bumpy Trainの中核を成しているホーンセクション風の下降音とベースラインです。全体を作るにあたって、これを拡張・展開していくように制作しました。
スタイル・ジャンルとしてはUK Garageを念頭に置いていますが、結果的にできあがったものはElectro Swingの雰囲気も纏っているものになったと自分では感じています。最終盤に入るサクソフォン的なソロパートが特にそういった空気感を高めていますが、これは盟友であるウラボロシの影響を直接受けている部分です。ぜひ彼の音楽も聴いてみてください。
UK Garageを自分のスタイルに取り組む試みは、ここしばらく自分の中で取り組んでいたテーマでしたが、Bumpy Trainは一つの完成形として結実したのではないかと感じています。
結局完成させられたのは提出締切ギリギリでした。時間に追われていたので、動画は三脚無しで普段使っているスマートフォン(Xperia 10 VI)で撮影して、Google Photosの手振れ補正に投げてから編集に持って行って…みたいな割と荒っぽい解決法を使ったりなどで間に合わせられました。
とはいえ完成までに時間がかかったのは制作に悩んだからではなく、自身の状況に全く余裕がなかったことが原因でした。むしろここまで最初から最後まで高いテンションで作り切ったのは、比較的久しぶりだと感じています。
・感想など
自身としては会心の出来とは思っていましたが、それでも初投稿だし、これでイベントが少しでもにぎやかになったらいいな~…と思いながら投稿しましたが、客観的にも最大級の評価を頂けたことを、本当に嬉しく感じています。そして現地にいられなかったことを本当に、本当に残念に…思っています…。
1位のみならず特別賞まで頂き (特別賞の選定理由を尋ねたところ、(M8は以前にあったものの) Tracked MusicにLSDj作品が初めてやってきた & 運営チームみんな踊ってた、といった部分だったようです。見たかったなその風景!)、draw();で得た刺激への恩返しといった目的の果たし方としては、本当にこの上ない形になったなと思います。
SESSIONS運営チームの皆様、MusicコンポマスターのJugem-Tさん、draw();のSainaさん、draw(tokyo); #3の代打に名前を挙げてくれたYebisu303さんに、改めて感謝いたします。
これに満足せずに、また遊んでその成果を出し、賑やかさに貢献できたらと思います。
そして今度は現場で会いましょう!LSDj/M8のライブセットやDJ、Demoの音楽などのお誘いなどもウェルカムですよ。
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