今年買ってよかったもの 2023年版

2024年も始まって早1か月というところですが、何かやっぱりこれを書いておきたかったので2023年の買い物を振り返ろうと思います。
何らかで年を締めないとちゃんと切り替わった感じがしないというか…ま、まあまだLunar New Year (春節)ではないからいいのかも…と考えたところで通例として西暦をタイトルにしているので、この理屈通じないなと思いました。年末も、今年のここまでも、詰め詰めで余裕がありませんでした!写真省こうかとまで思いましたが、さすがに見辛すぎたので掘り返したり新しく撮ったりして用意しました。

 

・Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11

ここから紹介するもの全てのハブでもあることから、一番よかったものだと思います。写真右は後述するX61です。
自分はもうUSキーボードに完全に慣れてしまったので、USキーボードがいいとできるだけリサーチして、まともな配列なのはやっぱりThinkPadってわけか…と思いました(Dellは今日本で英語キーボードを注文すると、UK系のキーボードで来るらしいので…横長Enterください…)。
かつてはX61やX22のユーザーだったので、他には目もくれずXシリーズを選択、それでもって可搬性重視でCarbonといったチョイスです。それにしてもかつて使っていたThinkPadといい意味で変わらない。完成しているというか。
自分は10年以上AMDをデスクトップでメインで使っているのですが、今回は省電力性能と実行性能の進歩からIntelをチョイスしました。
搭載されているi7-1355Uはベンチスコアはデスクトップで使っているRyzen 5 3500に匹敵する勢いで、実行性能も色々試したところほぼ肉薄していて、その性能をもってデスクトップからメイン機の座を奪いました。ビルドタイムがデスクトップとほぼ変わらない…。
昨年のリストに入っているLily58の方が負担は少ないとはいえ、ThinkPadのキーボードも世代が変わってもさすがの打ちやすさというか、ThinkPadにLily58をつなぐ運用はしていないです。同じLenovoでもYogaだと可搬性を犠牲にしてまで使っていたんですがね…。
そして10年ぐらいぶりに帰還したトラックポイントが本当に本当に便利なものだなと再確認しました。最初はスクロールがちょっと暴発しがちだったりしてうーんとなっていたりしたんですが、アップデートで割とこなれてきたか、自分が普段やるようなDAW操作はトラックポイントでほとんど済むようになってきました。ドリフトは時々ありますが、そういう時はタッチパッドを軽く触ってあげれば止まる。マウス操作に腕を動かさなくて良いというのがここまで楽だったかと。
総じてとてもいいです。長持ちしてほしいけど、プロセッサーの技術革新が進んで買い替えさせる気になって欲しいとも思う所もあります(既存環境とほぼ変わらないが、つまるところ天井が広がったという事でもないため)。

 

・ZOOM AMS-24

ここまで良いとは予想外、今や日常作業はこれでやるようになりました。
配信向けをターゲットに設計されているオーディオI/Fだとは思うんですが、録りもモニターも大きさからは想像もできないほどに素直でクリアです。元々はグローバルゲームジャムの作業用に導入したもので、ポータブル用途に軽く使えるいい感じのやつって程度の扱いで購入したはずが、あれ、前使ってた某大手の2in2outのやつよりいいんじゃない?ってぐらいに良かったです。試しにAMS-24でレコードを録った時、なんか他変えてないのに随分素直じゃない?って感じた時に驚いた具合です。
某レビュー記事にRMAA Proでの測定結果が載っているのでそれも参照していますが、やっぱり前述の前使っていた機種よりS/Nも特性も良好で、機能を絞った分特性も良く作れてるのかな?と思いつつ、いやこれはZOOMの設計陣のフィソロフィーの賜物なんだろうな…とも思いました(ZOOMの設計思想についてはこのインタビューがおすすめです)。
これを明確に超えようとすると、AudientとかMOTUとかRMEあたりの出番なんじゃないかなあという印象です。すごくよくできてます。売れてほしい。

 

・Audio-technica ATH-R70x

端的に言えば被るスピーカーといった感じです。
開放型ヘッドホンでいいものを一つ持っておきたいと思って、DT990 ProやらMDR-MV1なにやら、まあ手が届く範囲内の製品を色々と試した末に、これは…!と思った一品です。そして思い返したらScytheくんが先にこれ使ってた事に気付いた。
ヘッドホンにもかかわらず、頭内定位から解放されるような空間で鳴らしたような広さと、モニターに求められる解像度が両立された傑作機だと思います。それでいてオーテクのロー~ミッドレンジ帯ぐらいの製品に顕著な、強い高音という事もなく、バランスが良いです。
日常作業からリスニングまで、基本的にはこれで行うようになりました(自分は以前からモニター用とリスニング用で機材を分けたりはしていないんですけどね)。長年の相棒になる予感がします。
難点はケーブルが長すぎる事で、Scytheくんもケーブルは短いサードのを買って使っていると言っていました。自分はモガミ 3031を自分で撚ってケーブルを自作して使っています。ただAliexpressで買ったサードの本体側脱着プラグの金属シェルの加工精度が微妙なのか上手くささらず、外装を削って適当に家にあった金属塗料でカバーして使っています。自作派は要注意。


・Audio-technica ATH-E70

ATH-R70xが開放型なら、こちらは密閉型の役割。
以前から使っていたShure SE215 (非SPE)をいざThinkPadとのポータブル環境と組み合わせると、さすがに解像度やバランスの面で不満があり、持ち運べて仕事がこなせるようなイヤホンが欲しいなと、モニター系と定評のある機種を10機種弱聴き比べて導き出した結論はATH-E70でした。
他の候補は試聴メモに残っているものを挙げると、IE100PRO, IE400PRO, ER4SR, ATH-E50, ATH-E70, KATO…みたいな感じですが、この辺を全部押しのけてバランスと隙の無さで勝ちました。なかなか値段がしたのがちょっと大変でしたが…中古市場を張って新古品みたいなコンディションのものを見つけて使っています。
実際これは仕事ができてしまうレベルのバランスの良さで、訳あって出先のホテルで作業せざるを得なかった時にコレで全部調整作業を行いましたが、後日ATH-R70x等で確認しても問題ない仕上がりにできました。ATH-R70xとのコンビでMDR-M1STの出番がかなり減ってしまっています。オーテクがうちのモニター環境を支配するとは…。
良い点でもあるものの、難点でもあるのは遮音性が高すぎる事。話しかけられても全く気づけない事多々でした。それもあってR70xを買い足したという経緯もあったりします。

 

・KORG microKEY Air 25

この機材については以前の記事でちょっとだけ言及していますね。ケーブルからの開放ってこんなに楽なんですか。
長年初代microKEY (まだ37鍵盤しかなかった時代のもの)を使っていて、ノートラブルで運用しています。25鍵盤はAMS-24でも言及したグローバルゲームジャムで同会場別チームで参加していた増子津可燦さんが使っていて、大きさが本当にちょうどいいなと興味を惹かれて導入しました。ThinkPadと組み合わせる前提なので小柄なもので、かつ試してみたかったので無線対応版にしました。
無線が…本当に楽で…写真のような膝のせを気楽にできるわ、どんなタイミングでも適当によけておけるわ、こんなに気楽とは。もちろん遅延は有線よりはあると感じているんですが、それを上回る利便性。自分はリアルタイムでロクに演奏できる人間でもないので、全然このぐらいで大丈夫です。そして長年気に入っているmicroKEYのタッチもやっぱりいい。
難点は…WindowsがBLE-MIDIにロクに対応していないことでしょうか…早くOSネイティブで対応してもらいたいですね。試しにLinuxやmacOSに繋いだ時なんかは、本当にパッと繋がって楽でした。
ただ最近同社のnanoKEY Studioが持ち運び用に気になっていたりします。キーボード性能は劣るけど、薄い・無線・ノブ付き、はかなり魅力的で…。


・Microsoft Xbox ワイヤレスコントローラー (Xbox Series X|S世代)

箱コンは今まで360、Oneと2機種乗り継いできましたが、間違いなく一番いいものになっているなと思います。
前々からTen-ichiくんより「現行の箱コンはOneより十字が良くなってるぞ」と言われ続けていて、それもあってとても気になり続けていたのですが、台北に旅行に行った時に地下街をさまよって日本よりも若干安価に買えたので、頑張って持って帰りました。グローバルモデルらしいので、各国の認証マーク系が電池蓋の裏に大量に並んでいます。
実際十字は良くなっていたか?については、間違いなく良くなっていると思います。正確な入力ができるが斜めに弱かったOneと、斜めにも縦横無尽だったが正確な入力は大味だった360のいいとこどりで、不満が消えました。
そして見るからに頑丈な所もそのまま。360、One共にいまだにノーメンテで正常動作し続けているんですよね。それもあって買い替えになかなか踏み切れなかったんですけど…あ、でもOneのはもうUSB micro-B端子がおかしくなっちゃってるな…ともあれ、現行のこちらはまた長く使うことになりそうです。

 

・Anbernic RG Nano

レトロクリエイターズ2023最大の収穫かもしれない。
上述のイベントでたくやさんがこちらの赤色を持ってきていて、えっ、これは自分が思い描いていた理想そのものでは!となってしまい、イベント終了後の数日以内に注文しました。
以前から「キーチェーンゲーム機でLSDjが動いたら、本当にどこへでも持っていけるのになあ」という願望があったのですが、キーチェーンサイズでGBソフトが動かせるという、まさに理想としか言いようがないものです。
ただOS周りで色々気に食わない、というかキーコンフィグがLSDjと干渉したりで扱いづらい部分とか、エミュレーターにgambatteを使いたいとか、色々な理想と欲を詰めてforkして自分用カスタムOSを作るところまで行きました。勉強になった。カスタムOSのおすそ分けはこちらです。
実は最初に入手した本体は2週間ぐらいした辺りでヘッドホン出力(正確にはUSBオーディオ出力)が壊れてしまったので、サポートのお世話になりましたが、丁寧に対応していただきました。ありがとうございました。交換品は快調です。
とはいえ…もちろんマルチエミュ機なので、LSDj以外のゲームで遊ぶのにも多分に活用しています。十字キーが見た目以上にマトモで、解像度が足りるGB, GBA, GG辺りのパズルゲームがかなり遊べます。
2024年1月の東京ゲームダンジョン4に顔出しに来てくれたたくやさんに「あなたのせいで買いましたよ!」と悪戯っぽく言えたのもちょっと楽しかったです。見せてくれてありがとうございました。

 

だいたいこんな具合で、正直な所ワイヤレステンキーとか、完全ワイヤレスイヤホンとか、まだ挙げられるものはあるんですが…2023年はかなり検討してからモノを買うようにしたからか、明確に失敗したという感じは少なかったような気がします。
2023年の買い物のテーマは可搬性重視へのシフトといった部分が大きく、実際にThinkPadをハブとして色々な機材を調達して使ってきた感想からも、2024年も機材を拡充するならこの方向で、裏を返せば大柄な機材は導入しないか、もしくは既にあるものも減らす方向になると感じています。
何も挙げていませんが音源関係はソフトウェアに大きく投資していて、少なくとも円安が解消するまではハードを気軽に買う事は難しいだろうという印象も感じていたりで…ソフトは半額ぐらいまでセールされる事も多く、機を伺う事で(それまでの時間を犠牲に)出費を減らすことができますが、部品一つ一つが円安で事実上値上がりするハードはそこまで思い切った動きはなかなかありませんからねー…。

これで2023年を締める事ができた気がするので、2024年もよろしくお願いいたします。

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